○上越地域消防事務組合消防活動安全管理規程

平成21年2月5日

本部訓令第1号

(目的)

第1条 この規程は、上越地域消防事務組合警防規程(平成21年上越地域消防事務組合訓令第1号)の規定に基づき、消防隊、消防救助隊、指揮隊及び救急隊(以下「消防隊等」という。)の業務上の安全管理について必要な事項を定め、公務災害の防止及び軽減を図り、もって安全な消防業務の推進に寄与することを目的とする。

(責務)

第2条 消防署長(以下「署長」という。)は、消防業務全般における安全管理の責任者として、公務災害の防止及び軽減を図るため、消防隊等の安全管理を適切に実施するほか、次の各号に掲げる事項を掌握する。

(1) 危険防止に関すること。

(2) 安全教育に関すること。

(3) 公務災害の原因調査及び再発防止対策に関すること。

(4) 庁舎、訓練施設等の安全巡視に関すること。

(5) 安全管理に関する記録等の整備に関すること。

(6) その他安全管理に関すること。

2 署長は、前項各号に掲げる事項に関し、必要に応じ消防局長に改善措置等について意見を具申することができる。

(体制)

第3条 隊員の安全管理の徹底を期するため、消防署に安全管理者を置くものとする。

2 署長は、安全管理者を定めたときは、消防局長に報告しなければならない。

3 安全管理者は、署長の命を受け、次に掲げる業務を行わなければならない。

(1) 安全管理に関する指示及び命令

(2) 安全管理に関する研究及び教育

(3) その他安全管理に関する必要な事項

4 安全管理者は、必要に応じ消防隊等の長(以下「隊長等」という。)に自らの職務の一部を代行させることができる。この場合において、代行させる職務の範囲を明確にしなければならない。

5 安全管理者は、前項の規定により代行者(以下「安全管理代務者」という。)を定めたときは、これを署長に報告しなければならない。

(隊長等)

第4条 隊長等は、署長及び安全管理者の指示及び命令を受け、隊員の安全管理に努めるとともに適切な指導を行わなければならない。

2 隊員は、隊長等の指示及び命令を忠実に守り、危害防止に努めなければならない。

(安全管理事項)

第5条 平常時における安全管理事項は、次の各号に定める事項とする。

(1) 署長、安全管理者及び安全管理代務者(以下「安全管理者等」という。)は、隊員の安全管理上必要な知識及び技術の向上のため、安全管理及び事故防止についての教育を行わなければならない。

(2) 安全対策として次の事項を徹底して行わなければならない。

 朝礼における安全確保十則(別記)の1月1回の唱和

 庁舎、訓練施設等の巡視

 体系的な訓練計画の策定

 隊員に対する訓練等の実施内容の周知並びに事故防止対策の検討及び徹底

 装備資機材の機構及び取扱要領の研究

 危険性のある高低所及び濃煙内、水中作業等についての安全教育

 その他安全管理者等が必要と認める事項

(3) 装備資機材は、常に最高な機能が発揮できるよう定期及び臨時の点検を実施し、適正な保守管理に努めるとともに次の事項を徹底し確実を期さなければならない。

 訓練に使用を予定する資機材は、必ず事前点検を行うこと。

 災害又は訓練に使用した資機材は現場点検を行い、帰署後必ず再点検を行うこと。

 安全管理者等は、点検実施結果を必ず把握し、指示等必要な処置を行い、署長に報告すること。

(訓練における留意事項)

第6条 訓練時における安全管理の基本的事項は、次のとおりとする。

(1) 訓練時の服装は、必要に応じ安全管理者等が指示するものとする。

(2) 隊長等は、常に危険危害防止に心掛けるとともに、次の事項について徹底を期さなければならない。

 訓練中の危害を防止するため、あらゆる手段を講じ、手落ちがないよう準備し、事故防止に努めること。

 不必要に危険に身をさらすような行動を厳に慎み、率先して事故防止の範を示すように努めること。

 訓練過程の進行に伴い危険に慣れて、危害防止に対する配慮が薄れるおそれがあるので、練度の向上に伴って更に慎重な行動と必要な措置を欠かさないこと。

 訓練実施前には、隊員に対して訓練の種別、目的、内容及び目標などを指示し、展示、個人指導等必要な教育を行い、十分理解させて実施すること。

 訓練実施前には、隊員の心身の状況を十分に確認し、訓練実施上不適当と認められた者がいるときは訓練から除外すること。

 訓練実施前及び訓練実施中、天候や周囲の状況に常に細心の注意を払い、公務災害発生の急迫した危険があるときは、訓練の中止、変更等必要な措置を講ずること。

 訓練実技に当たり、服装、訓練施設、資機材を綿密に点検し、常に完全な準備のもとに実施すること。

 常に隊員個々の実施状況を明確に把握し、また、心理状態や体力の把握に努め、個別能力に適応するような指導を行うこと。

 訓練指導は、着実に基礎動作を守る円滑合理的な動作の訓練を第一とし、みだりに速さを要求しないこと。

 各種の救急・救助技術、特に基礎的な諸動作は反復訓練によって正確な操作を保持し、不十分な訓練のまま高度な科目に進めないこと。

(3) 隊員は次に定める事項を遵守し、厳正な規律の確保及び適切な部隊行動並びに必要な消防技術の習得に励むとともに、自己管理を基本とした責任感と相互信頼感を堅持しなければならない。

 自身及び傷病者、要救助者への危険度及び難易度の高い訓練について内容をよく認識し、常に隊員相互の安全を確認すること。

 使用する資機材については、十分な点検を行い、基本を忠実に守って安全の確保に努めること。

 自分勝手な行動、特に指揮者の統制を離れて訓練を行わないこと。

 身なり、服装は常に清潔、厳正を保ち、特に防火帽、保安帽を着用する場合は指揮者の命令がなければ脱いではならないこと。

 隊員は相互に信頼し、励まし合って緊密な協調連携に努めること。

 平素、資機材の点検整備を入念に行い、使用に当たっては使用目的と性能に応じた正確な使い方をすること。

2 訓練は計画に基づいて実施するものとし、次の事項に留意して計画を策定すること。

(1) 指導者及び隊員の練度、訓練施設の状況、訓練時間、訓練資機材等を検討して実情に即した訓練目標を定めること。

(2) 基礎的な訓練から順次練度を進めるようにすること。

(3) 訓練場所の選定は訓練の成果を挙げることはもとより、危害防止上大切であり選定に当たっては十分検討すること。

(4) 訓練時間は訓練内容と1回当たりの所要時分、実施回数等を考慮し、隊員の疲労回復に必要な休憩時間を入れること。

3 2以上の消防署、分遣所にまたがり実施する訓練(以下「大規模訓練」という。)を実施する場合は、当該訓練の安全を確保するため、当該訓練計画で定める総指揮者に当たる者は、総括安全管理者となり、次に掲げる事項を管理する。

(1) 訓練計画における安全管理に関すること。

(2) 訓練場所(施設)及び使用資機材の点検に関すること。

(3) 訓練時の監視及び事故防止に関すること。

(4) その他訓練時の安全管理に関すること。

4 訓練終了後、必要に応じて事後検討を行わなければならない。

5 署長は次に掲げる訓練に係る記録を整備し、必要に応じ消防局長に報告しなければならない。

(1) 訓練計画に関する記録

(2) 訓練の実施に関する記録

(3) 訓練において講じた安全管理上の措置に関する記録

(4) 訓練中の事故に関する記録

(5) 事後検討に関する記録

(6) その他訓練に関する記録

(災害活動時の安全管理事項)

第7条 災害活動においては、次の事項を徹底するほか、訓練時における安全管理事項を厳守し、隊員の安全確保を期さなければならない。

(1) 指揮者は、常に隊員の活動状況を明確に把握して隊員の安全に努め、適切な指示及び命令を徹底すること。

(2) 隊員は、自己の安全管理だけではなく隊員相互間の安全確保に努め、指揮者、隊長等の安全管理上の指示に従うこと。

(3) 出動途上より指揮者以下全隊員が常に周囲の状況及び情勢の変化に配意し、事故防止を図ること。

(4) いかなる場合であっても基本原則を忠実に守り、見越しや安易感による慎重を欠く行動をとらないこと。

(安全管理者等会議)

第8条 上越地域消防局(以下「消防局」という。)に安全管理者等会議を置く。

2 安全管理者等会議は、次の各号に掲げる安全管理に関する基本的な事項及び重要な事項を調査、審議する。

(1) 危険防止に関すること。

(2) 安全管理の指導及び教育に関すること。

(3) 訓練施設及び消防資機材の整備に関すること。

(4) 公務災害の原因、調査及び再発防止に関すること。

(5) その他安全管理上重要な事項に関すること。

3 安全管理者等会議は、次の委員をもって構成する。

(1) 消防局消防防災課

(2) 消防局総務課

(3) 署所安全管理者等

4 安全管理者等会議の議長は、消防防災課長がこれに当たる。

5 安全管理者等会議の会議は、議長が招集し、必要に応じて消防局長及び関係者の出席を求めることができる。

6 安全管理者等会議の管理事務は、消防局消防防災課で処理する。

(その他)

第9条 この規程に定めるもののほか、必要に応じて署長が別に定めることができる。

(施行期日)

1 この規程は、公布の日から施行する。

(上越地域消防事務組合消防安全管理規程の廃止)

2 上越地域消防事務組合消防安全管理規程(昭和58年上越地域消防事務組合本部訓令第12号)は、廃止する。

(平成22年3月17日本部訓令第8号)

この規程は、平成22年4月1日から施行する。

(令和2年3月6日本部訓令第3号)

この要綱等は、令和2年3月17日から施行する。

別記(第5条関係)

安全確保十則

1 安全管理は、任務遂行を前提とする積極的行動対策である。

2 災害現場は、常に危険が潜在する。安易に慣れることなく危険に対する警戒心を緩めるな。

3 部隊及び隊員が指揮者の掌握から離脱することは、重大な事故につながる。独断的行動を慎み積極的に指揮者の掌握下に入れ。

4 危険に関する情報は、現場の全隊員に迅速に徹底せよ。危険を察知した者は、直ちに指揮本部に報告し、緊急の場合は周囲に知らせて危害を防止せよ。

5 興奮、狼狽は、事故の土壌になる。どんな活動環境においても冷静さを失うな。

6 機械及び装置に対する知識の欠如は、事故を誘引する。各種資機材の機能、性能限界を明確に把握し、安全操作に習熟せよ。

7 安全確保の基本は、自己防衛である。自己の安全は、まず自分が確保せよ。

8 安全確保の第一歩は、防火衣着装に始まる。安全な着装を心がけよ。

9 安全確保の前提は、強靭な気力、体力にある。平素から激動に耐え得る気力、体力と体調を持続せよ。

10 事故事例は、かけがえのない教訓である。内容を詳細に把握し、行動指針として活かせ。

上越地域消防事務組合消防活動安全管理規程

平成21年2月5日 本部訓令第1号

(令和2年3月17日施行)