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【特集】消毒用アルコールに引火する温度を実測してみました。
『正しく恐れ、安全に使うために』
最近、高濃度アルコール消毒液(以下、「消毒液」という。)がよく燃えるという、恐ろしい実験映像をテレビやネットで頻繁に見かけます。 消毒用アルコールには消防法で定める危険物に該当するものがあり、取扱いを誤ると、火災等を引き起こすおそれがあります。 正しく恐れ、安全に使うことが大切です。そこで、ご覧の皆様にアルコールに対する理解を深めていただくため、私たちはこんな実験をしてみました。
『濃度が高まると引火点が下がる』
この実験では、市中に出回っている消毒液のうち、一般的なアルコール濃度である60%、70%、80%の引火点をそれぞれ計測します。ちなみに引火点とは、「火種があれば火がつく最低の温度」のこと。引火点を正確な数字で知れば、危険性の程度も見えてきます。
実験のやり方は、消毒液をゆっくりと湯せんにかけ、あらかじめ浮かべておいたローソクの炎が液面に移るタイミングを、高精度温度計の表示で捉えるというもの
室温18℃に設定した中で実施した引火点測定結果は次のとおりでした。
『夏は常温で火がつく』
実測結果からわかるように、最もアルコール濃度が低い60%の消毒液であっても、26℃程度で引火しました。つまり、夏になれば常温で簡単に火がつく性質を持つのがアルコールということです。そして、逆に言えば、「近くに火種がなければ」また「引火点以下を維持している限りは」、ひとまず火がつくことはないということがわかりました。
『実験結果に見る使用上の注意』
- 消毒液の周囲には、火種になるものや可燃物を置かない。
- 消毒液はなるべく涼しい場所に設置する。また、使用していないものは冷暗所等に保管する。
さらに、アルコールは揮発しやすく、そのガスを漏洩させないため、次のことを併せてお願いします。
- 消毒液の容器は密栓し、炎天下の車内には放置しない。
- 詰め替え容器はアルコール耐性のあるもの(アルコール・エタノール類で変質しないもの)を選ぶ。
- 消毒用アルコールを目的外の用途に使用しない。
この注意事項を踏まえ、高濃度アルコール消毒液を「正しく恐れ」ながら「安全に使う」ことを両立して、暑い季節を乗り切りましょう。
お問い合わせは……
本掲載内容、実験動画提供等に係るお問い合わせは、☎025-545-0230 上越地域消防局予防課まで